幸福度に影響し得る、あらゆる要因について調べていますが、今回は睡眠との関係について調べてみました。
過去の幸福度関係の記事はコチラ
結論
睡眠の質が上がると、メンタル、幸福度、健康に非常に大きいプラスの効果がある。
睡眠の量が少ないと、ポジティブになりにくくなり、ストレスに対して弱くなり、早死のリスクも高まる。
詳細
イギリスで30,594名を対象に,睡眠と健康、幸福度に関して数年にわたって調査を行いました。今回の調査で,睡眠の質や量の変化で,数年間で健康状態や幸福度、精神状態がどう変わるかが読み解けます。
下のグラフでは、睡眠の量、睡眠の質、睡眠薬の使用量減少が次の3項目にどのような影響を与えるかを調べました。
GHQ12:精神障害の判定に使われる精神評価
MCS:メンタルへの効果
PCS:身体的健康への効果
グラフが高いほど、影響力が大きいのですが、
メンタルへの評価(GHQ12,MCS)では、睡眠の質がダントツで、次いで睡眠薬使用量の減少、睡眠の量の順番で影響度が大きい結果となりました。
一方、身体的健康(PCS)では、睡眠の質、睡眠の量、睡眠薬の減少の順で影響度が大きい結果でした。
なので、睡眠の質、量の向上、睡眠薬の減少はすべて、身体的、精神的にプラスの影響がありましたが、最も影響するのは睡眠の質であるということでした。
睡眠の質向上によるGHQ12の改善のレベルは、英国のBHPS宝くじで、中規模の当選金(日本円で20万円から2,600万円に相当)を獲得した人物が2年後に示す、幸福度の平均改善値と同等レベルであったようです。
また、ブリティッシュコロンビア大学の研究では、電話でインタビュー調査を実施したところ、睡眠時間が通常より少ない場合、ポジティブな出来事から受ける前向きな感情が減少することがわかりました。
つまり、ポジティブな感情になりにくくなってしまうということ。
また、口論、社会的緊張、仕事や家族のストレス、差別などのネガティブな出来事で、ポジティブな感情が失われてしまいますが、これも、睡眠不足によって多く失われてしまうとのことです。最終的には早死にのリスクまで高くなるとか。
睡眠の質を上げるための施策をまとめた記事がコチラ
睡眠が人生に与える影響は、他にも数多くありますが、いずれにせよ、私たちの思っているよりもずっと、睡眠の質、量ともに重要であることが示されています。
より良い睡眠でより良い人生を!
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参考文献
佐々木 健吾,行動や習慣が主観的幸福度に与える影響
Nicole K Y Tang,Changes in Sleep Duration, Quality, and Medication Use Are Prospectively Associated With Health and Well-being: Analysis of the UK Household Longitudinal Study,
New research finds people react better to both negative and positive events with more sleep