初めに、人生を豊かに生きるためには幸福度(主観的幸福感)が大事ですが、どういった行動や考え方、環境が幸福度に効いてくるのか、知っている人はそこまで多くないと思います。今回は、日本の研究で幸福度について統計的に研究した論文の内容を紹介します。
今回の記事は下記文献の内容です。
幸福感と自己決定―日本における実証研究
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/18j026.pdf
結論
学歴は幸福度には影響が小さく、その次にお金、お金よりも自己決定が1番大きく幸福度に影響する。
結果
・幸福度は前向きな性格ほど高く、不安感を感じやすいほど低くなる。
・幸福度は人生の始まりと終わりで高く、中年期(35~49歳)では低くなっている。
・自己決定レベルが高い人ほど、前向き志向で、不安感は小さい
・前向き志向の人ほど職場、配偶者との人間関係が良好で、不安感の高い人は人間関係が悪い
・前向き志向の人ほど健康状態が良好で、不安感の高い人は健康状態が悪い
・不安感は、世帯年収額によって影響を受けていないが、個人年収額に有意に影響を受けている。例えば、主婦は世帯年収が高くとも、個人年収は低くなっている場合が多い。
・偏差値50未満の低難易度大卒は、大卒未満の人より前向き志向が低く、高難易度大卒は最も前向き志向が高い。
補足説明
文献の調査によって、幸福度と関係があったものは、自己決定、年齢、所得、人間関係、健康でした。そして、特に自己決定が大きく関与している、というのが著者らの結論です。また、これらの因子は、前向き志向と不安感によって影響を受けます。
不安症な人や、後ろ向きな方は、不安を出来るだけ考えないようにする、前向きに考えるクセをつけておくと、人間関係や体調など様々なことが良くなるかもしれませんね。
注意点
文献を私が読んで、意訳したものになりますので、誤解がある場合があります。詳細はリンクから文献を読んでいただけますと幸いです。
今回の調査はアンケートで、「ほとんどのことは楽しめる」や「物事に良い影響を与えられる」などの設問から前向き志向を点数化しています。不安感の設問は「この世界が素晴らしい場所だとは思わない」や「人生に特別な目的や意義を感じない」などです。幸福度は「全体として、あなたは普段どの程度幸福だと感じていますか。番号(0~10)から最も近いものを 1 つ選んでください。」と聞いています。
自己決定については、自分の意思で進学する大学や就職する企業を決めたか否かを聞いています。
今回の場合、幸福度と前向き志向など、相関関係にあることはわかったものの、幸福度が高いから前向きなのか、前向きだから幸福度が高いのか、といったどっちが先か論については決着していませんので、注意が必要です。
私個人の考えでは、どちらが先でも影響すると思っています。なので、考え方である前向き志向や不安感を自分で変えていけば、良い方向に変わっていけると思います。
一度しか無い人生、一緒に楽しんでいきましょう!
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また読んでくださいねー。