目次
- 趣味とは
- 趣味が人生に与える効果
- 趣味の主体性レベル
- 趣味への興味段階を考える
- 結論
1.趣味とは
趣味とは生活のための労働,仕事や勉学などの余暇に,する遊びや楽しみのことを指します。まぁ皆さん知ってると思いますが・・・
下図に趣味の分類をまとめました。
2.趣味が人生に与える効果
趣味が人生に与える影響は大学等で多く研究されており、私が見つけたものを論文とともに下に記載しました。気になる人は論文見てみてください。
①ストレス軽減効果
下のグラフは縦軸がストレス値で、棒グラフがそれぞれ「趣味への期待度」を示しています。左から 趣味への期待度が高い群、中くらいの群、期待度が低い群です。
趣味に対して、わくわくして期待度が高い群ほどストレス平均値が顕著に低くなっています。youtubeやテレビを眺めるだけのような、暇つぶしの趣味よりも自分の気持ちが昂るような楽しい趣味が大事であることがわかりますね。
実際、私は卓球が趣味なのですが、卓球にのめり込める今はとてもストレスが少なく楽しい生活を送れています。
参考文献:余暇における他者との交流が主観的幸福感及び抑うつに及ぼす影響,川久保
大学生の趣味がストレスに及ぼす影響,乾
②高齢期の生きがい構成要素
高齢期では、今までできていたことができなくなっていく時期で、精神的にも落ちていきがちですが、金銭的余裕と健康、趣味の3つがあれば生きがいを持って生きていけるとされています。
金銭的余裕と健康は第一ですが、趣味が無いと日々衰えていく悲しさに押しつぶされてしまうのかもしれません。
参考文献:大学生の趣味がストレスに及ぼす影響,乾
③認知症の予防効果
認知症への予防効果は「趣味の数」と「趣味の種類」が関わってきます。
ここでは約5万人の高齢者を6年間追跡調査した研究を紹介します。n数も多く信頼性は高いと思います。
下の表では趣味の数と認知症との関係を示していて、HRの欄の数値が高いほど認知症になりやすいと考えて大丈夫です。
男性でも女性でも趣味の数が多くなるほど数値が下がっていき、趣味の数が増えると認知症になりにくいことがわかります。特に3種類以上で大きな効果があるのがわかりますね。
また、認知症予防に効果があった趣味は下記の通りです。
男女ともに効果あり
グラウンドゴルフ、旅行
男のみ効果あり
ゴルフ,パソコン,釣り,写真撮影
女のみ効果あり
手工芸,園芸・庭いじり
効果が無かった(小さかった)趣味
散歩・ジョギング、読書、作物の栽培、カラオケ、囲碁、将棋、麻雀、パチンコ、体操、太極拳、舞踊、ダンス
参考文献:高齢者の趣味の種類及び数と認知症発症,Ling
④主観的幸福感を高める
主観的幸福感:自分で認識する幸福度の指標。生活評価、感情、人生における意義と目的意識または良好な精神状態から構成される。
大学生を対象に調査をした結果、「趣味活動の頻度および満足度が高い学生が主観的幸福感が高い」ということがわかりました。
参考文献:大学生の余暇活動と主観的幸福感,菅野
3.趣味の主体性レベル
ここの解説は私の持論になります。
趣味には様々な種類がありますが、主体性によって何段階かに分けることができます。
趣味とは言えないレベルの受動的なものが2種類
消極的なテレビ鑑賞:なんとなくテレビをつけておいて、別に楽しくもないけど見ている行為
準消極的コンテンツ消費:youtubeやtwitterなど動画サイトやSNSで特に目的無く鑑賞している行為。特に楽しみではないがなんとなくいつものゲームをやっている行為。
論文でポジティブ効果が見られるような能動的な趣味は3種類
積極的コンテンツ消費:あのアニメが観たい!あのゲームがしたい!など楽しみや目的を持ってコンテンツを消費する行為。
消極的活動参加:いつも行っているサークルになんとなく行く行為。
積極的活動参加、創作活動:楽しみや目的を持って活動に参加する行為。ブログや動画投稿、絵を描くなどの創作活動。
これらのそれぞれに該当する趣味をバランスよく持つことが大事だと考えています。
創作活動のような趣味ばかりでも、時間が足りなくなったり、体が休まらなかったりすると思います。
一方で、受動的な2種類のテレビ鑑賞やyoutube,SNS鑑賞などのコンテンツ消費ばかりしてしまう人の方もいると思います。というかそっちの方が多いと思います・・・
長い時間がある休日に、惰性で、提供されるコンテンツを消費するだけに時間を使ってしまうと、もったいないですから、休日はスポーツなどの活動に参加し、平日の夜は見たいアニメやゲームを消化し、合間時間など体を休めたいときは惰性で過ごす、といった切り替えをしながら趣味と向き合えるといいですね。
私の場合は下の図のような趣味を持っていますが、毎日とても楽しく充実していると感じています。
4.趣味への興味段階を考える
参考文献:成人の趣味における興味の深まりと学習環境の関係 ,杉山昂平
趣味に取り組むにあたって、最初はあまり興味が無かったことでもだんだん興味が深まってハマっていく体験をしたことがある人も多いかと思います。その興味の深まりについて研究した論文の内容を紹介します。
まず最初の段階が 無自覚 で
なんとなく続けていたり、興味が浅い状態を指します。
次の段階が 成長 で
趣味に対して深い興味を持ち、役割を遂行したり上達や達成を経て高いモチベーションを維持している状態を指します。
最後が 達観 で
参加すること自体の価値や、居場所としての価値を見出して長く楽しく継続できている状態を指します。
それぞれの状態でのやめてしまうきっかけについて説明していきます。
STEP1 無自覚 の時には簡単なきっかけでやめてしまうことも多いです。
なんとなく行かなくなってしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。
STEP2 成長 の時はあまりやめないと思うかもしれませんが、その高いモチベーションゆえに挫折するような形で辞めてしまうこともあります。
高校の部活で燃え尽きて大学では続けなかったり、勝ちたかった試合に負け、立ち直ることができずやめてしまう人も少なからず見かけます。
STEP3 達観 では継続すること自体が目的や楽しみになっているので、よほどのことが無い限り辞めることは無いです。
さて、この3つの興味の段階はどうやってシフトするのかですが、その要因は
仲間との出会い
別団体との出会い
成功体験
などがあげられます。
著者が調査したオーケストラ団員の方は、実はあまりオーケストラを楽しめていなかったのが、ある時、熱心な後輩が入ってきて、上手に弾く方法やコツを教えてくれたことがきっかけで興味が深まり、楽しめるようになった。というような体験をしていました。
このように新しい人や団体との出会いは、モチベーションに大きく影響する場合があります。
5.結論
私が、様々な論文を読み導き出した結論はこちらです!
①趣味を多く持つ(気になったものはすぐ試してみる)
②趣味を共有できるコミュニティに所属する
③趣味を持ったら人に会ったり、変化を起こして興味の深まりが起こるように行動してみる
注意!複数の論文から一部のデータ等を引用させていただいていますが、著者の表現したいことを正確に捉えられているとは限りません。引用元を記載しておきますので、気になった方は、引用元の論文を調べてみてください。
動画でも解説しています。