目次
- 仕事に費やす時間
- 仕事の価値について
- 労働と幸福度
- 楽しい仕事とは
- 結論
1.仕事に費やす時間
社会人の方はすでに働いていると思いますが、1日一時間残業したとして、9時間労働したとすると、人生で労働する時間は約9万3千時間になります。
そうすると労働時間は人生のうち約13%を占め、就業年齢でみると25%が労働時間になります。
睡眠が8時間寝て33%と考えると、自由に使える時間って結構少ないですよね。
2.仕事の価値について
働く意味は人によって様々ですが、大きく分けて「お金、生活との両立、仲間とのコミュニケーション、業務自体の楽しさ」の3種類になると思います。
それぞれを深堀りしていくと
お金は、①長期で見て安定した収入が得られるのか ②給料の高さ
生活との両立は、①労働時間 ②有給取得率
業務自体の楽しさは、①専門性の向上 ②達成感 ③社会貢献
に分けることができます。
お金や、生活との両立のような直接業務と関係ない部分の価値を「外的価値」と言い、業務と関係する部分の価値を「内的価値」と言います。
仲間とのコミュニケーションはどちらに入っても違和感がなく、両方に当てはまる価値となります。
皆さんはどれを重視していますか?これらの項目が人生の幸福度に与える影響を見ていきましょう。
3.労働と幸福度
意味を実感出来る仕事には
「人生の満足度」
「一般的な健康の指標」
とそこそこの相関関係があり、仕事自体に意味を見出すことは幸せに人生を送る上で重要になってきます。
また、会社には企業理念やCSRといった、方針がありますが、それらが労働者にとって共感できるものであるかが、
組織に対する誇り
自分が意味のある存在だという認識
に繋がることがわかっています。
人は会社相手でも人間相手でも、価値観が違う相手とうまくやっていくのは難しいみたいですね。
ちなみに企業理念だけ立派なことを書いてても、それを実行していないような会社には、労働者は敏感に気がつくというデータもあるようです。
また、一方で仕事が人生へ与えるネガティブ影響としては、当然ですが
仕事にのめりこみすぎると家庭とのバランスが悪くなってしまう
ことがあります。
競争の激しい職場(認知の歪み)
ネガティブ影響の二つ目は、競争の激しい職場は主観的不健康感があがってしまうことです。
主観的不健康感とは健康診断の問診である設問の
・自分の健康を心配することがありますか
・体のいろいろな部分が痛みますか
・非常に疲れやすいですか
・不眠のために困っていますか
等の「自分は不健康だなぁ」と認識しているかを確認する部分です
競争の激しい職場だと、不健康だと感じている人の割合が増えるのですね
しかし一点気を付けるべきなのは、こちらの結果の、競争の激しさは「認知の歪み」が低い人たちには影響がありませんでした。認知の歪みが高い人たちにのみ、競争の激しさが悪影響を及ぼしています。
また、認知の歪みが高い人たちは、低い人たちと比べると顕著に不健康感が高い結果となっていました。
認知の歪みとは下記のような極端な考え方をしてしまう人達を指します。
2分割思考
・物事は価値があるか無いかのどちらかであると思う
・人の行いを「良い」か「悪い」かで判断する
断定的表現
・「完全に~」「絶対に~」という言い方をよくする
・「~しなければならない」「~すべきではない」という言い方をよくする
過度の一般化
・あることで失敗するとすべてがうまくいかないように思う
・人に嫌われたらもう自分を気に入ってくれる人はいないと感じてしまう
労働時間と幸福度
続いて労働時間と幸福度との関係ですが、日本のデータでは週90時間(残業週50時間)までは労働時間が増えるほど幸福度が下がっていきますが、90時間以上になるとなぜかグンと幸福度が上がっています。
あと関係無いですが、アメリカに比べて全体的に日本人の幸福度低くね・・・?
また、自分の労働時間に満足しているかですが、今の労働時間から変えたくない人が一番幸福度が高く、10時間以上減らしたい人、10時間以上増やしたい人が幸福度が低く、特に増やしたい人の方が幸福度が低い結果となりました。
「もっと働きたい」という方が、「もっと働きたくない」人よりも不満が大きいのは意外でした。
企業規模と幸福度
次は企業規模と幸福度ですが、人数が多ければ多いほど幸福度が高くなっていることがわかります。
一方アメリカでは1000~5000人が一番幸福度が上がっています。
4仕事の楽しさに影響を与える因子
仕事の楽しさにフォーカスした論文では
社会的意義があると思える
職場の人間関係が良い
自分で見通しを立てながら仕事をできる
の3点が仕事の楽しさに影響を与えることが統計的に明らかとなりました。
5結論
これらの結果から幸せな仕事生活を送るうえで最強の取り組み方は
自分が許容できる外的価値(賃金や労働時間等)条件の職場に身を置き、その後は内的価値(やりがい、楽しさ等)を重視して仕事に取り組む
となるかと思います。
お金はある一定以上までは幸福度が上がるものの、それ以降はいくら増えても幸福度に影響してこない実態があったりますので、「自分が許容できる賃金や労働時間」にたどり着けたなら、仕事の楽しさ、やりがいに目を向けて取り組んでいきましょう!
ここまでたくさんのデータを見てきたサマリを下図に載せておきます。
注意!複数の論文から一部のデータ等を引用させていただいていますが、著者の表現したいことを正確に捉えられているとは限りません。引用元を記載しておきますので、気になった方は、引用元の論文を調べてみてください。
動画でも解説しています。
他、幸福度との関係
お金と幸福度の関係