※今回紹介するデータはすべて「民間給与実態統計調査(国税庁)」によるものです。
こちらの解説動画
目次
- ここ10年間の格差の広がりについて
- 所得による納税額
1.ここ10年間の格差の広がりについて
最近テレビ等で「日本は近年格差が広がっていることが非常に問題です」と言われることをよく耳にします。貧困層が増えていて、お金持ちも増えているから格差が広がってきているという理論ですね。
それに対して「本当か?」と疑問を感じたので、調べてみることにしました。
実際ここ10年間のデータを整理してみると、200万円以下の低所得者が増えていて、1000万円以上の高所得者も増えています。
ただ、他の年収帯も目を向けていると、すべての年収帯の人口が増えています。つまり、ただ単に労働人口が増えているだけだと思われます。
テレビ等の言い方だと、「他の年収帯は変わらずに、特に低年収と高年収が増えている」ような印象を持ちましたが、実際はそういうことではないようです。
続いて割合で見てみると
全年収帯における200万円以下の人の割合は徐々に減っているようです。増えているのは500万円以上の年収の人たちですね。
2.所得による納税額
資料に別の面白いデータがありましたので紹介します。
左下グラフは年収800万円以下、以上の人の人数と割合です。
右下のグラフは年収800万円以下、以上の人たち全員が1年間に収めた所得税額と割合です。
年収800万円以下の人の人数は90.8%になりますが、納めている所得税の35.7%にすぎないことがわかりました。一方で年収800万円以上の人は9.2%の人数で、64.3%もの所得税を納めていることがわかりました。
累進課税の影響がよくわかるデータですね(笑)。
ちなみに所得税収の推移を下のグラフに載せていますが、ここ10年で1.5倍程度まで増えているようです。これに消費税増税などもされていますから、「どんだけ税収必要なのか」と気が遠くなってしまいますね・・・
まとめ
近年テレビ等で言われる「格差が広がっていることが問題」という論調について
②しかし単純に労働者人口が増えているだけで、特別上下格差が広がってはいない
ということがわかりました。
そもそも高い年収になれば所得税を多く収めるし、消費活動も活発になり経済的に良い面もあります。
「格差」が問題なのではなく「貧困」が問題なのではないでしょうか。
より正しく所得の再分配がされ、貧困に苦しむ人が減るよう、公金の異常なレベルの無駄遣い等はみんなで認識していきましょう。