この記事の内容について動画でも解説しています。
※注意点
・紹介する数値は平均値や概算値が多く含まれています。だいぶ余裕を持った暮らしを想定しているので、「この金額を用意しておけば、安心感があるな」と思ってもらえればいいかなと考えています。
目次
- 老後にいくらかかるのか
- 費用項目紹介
- いろんなパターンの老後費用紹介
- 老後の収入は?
1. 老後にいくらかかるのか
まず、老後のお金について計算するには、老後に関わる定義づけが必要です。今回の定義一覧を下の図に載せました。
定年退職は65歳でその後、90歳まで生きると仮定しています。日本の平均寿命は80~85歳程度ですが、長生きした場合を想定しました。厳しく見積もっておけば、安心した準備ができますからね。
そして85歳~90歳までの5年間は施設入居をすると考えます。介護等必要になってくる年代ですからね。そして老後期間は賃貸住まいとしています。65歳ではまだ早いかもしれませんが、車の運転も危なくなりますし、交通の便の良いところに賃貸を借りるという想定です。
結論としてこの条件で出した老後必要資金は2人夫婦であれば8870万円、単身ならば5390万円となりました。細かい生活費の設定をどうしているかを次の章で詳しく見ていきましょう。
2. 費用項目紹介
下の図で詳細な金額を設定していますが、すべてちょっと多めに使うという考えで設定しています。もし自分に合う数字があれば入れて計算してみてください。
今回85~90歳は施設入居としていますので、85歳以降は金額が異なります。65~85歳の期間では月額28万円で、期間の合計が6730万円でした。85~90歳の期間では月額35.6万円で、期間の合計が2140万円でした。総計では約8870万円でした。
総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2021年」では65歳以上の二人以上世帯の平均支出は月額24万円程度となっていますので、今回の計算結果の方が高いですが、実際に老後になるころには、インフレで物価が高くなっているはずですので、必要な金額としてはそんなにズレていないかなと思います。
単身世帯ではもちろん費用は少なくなりますが、家賃や水道光熱費、食費等の、二人以上の方が割安な項目が多いため、単純に半額にはなりません。単身世帯では65~85歳の期間では月額17.4万円で、期間の合計が4190万円でした。85~90歳の期間では月額20万円で、期間の合計が1200万円でした。総計は約5390万円でした。
3. いろんなパターンの老後費用紹介
最初に設定した条件を変えてみたら、どれくらいの費用削減になるのかを考えてみましょう。③の85歳から90歳までの施設入居が無かった場合、二人世帯では456万円の削減、単身世帯では150万円の削減になります。
健康ってとても大事ですね!
次に④の老後は賃貸住まいのところを持ち家として、税金分のみの月1万円負担と考えてみると二人世帯では1680万円の削減、単身世帯では960万円の削減となりました。
※実際は劣化によってリフォーム等別の金額はかかると思います。
4.老後の収入は?
これまで支出をみてきましたが、続いて収入についても見ていきましょう。
老後の収入は年金と退職金です。
まず年金では厚生労働白書の平均値で見ると下図の通りです。手取りで見ると二人夫婦の片方扶養の場合は5940万円、共働きは6696万円、単身は4185万円でした。
続いて退職金を見てみますと大企業では大卒が2289万、高卒が1858万、中小企業では大卒が1118万、高卒が1031万というのを目安とし、一人15000万円で計算をしました。
すると二人夫婦の片方扶養と単身では1500万円、共働きならば3000万円となります。
まとめ
これまで計算した収入と支出をまとめてみたのが下図となります。
二人夫婦の片方扶養の場合、1430万円の赤字、共働きでは826万円の黒字、単身では295万円の黒字でした。
老後2千万円問題というのもありましたが、あれもモデルは二人世帯の片方扶養の場合を前提にしていますので、そのほかのケースなら大きく心配するほどはなさそうです。足りなさそうと思う人は、家計の見直しや老後にどんな生活をするか考えて整理してみましょう!